見崎 鉄
見崎 鉄さんのよみつい
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天使の傷痕 [文庫]

西村 京太郎

講談社 1976-05-26

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→高度成長によって発展する都会と、それに取り残されたままの岩手の農村という対比も当時ならでは。サリドマイド薬禍が事件の原因になっている。2001年にテレビドラマ化されたというが、どういう話になったか。今読むとストーリーラインが直線的で単純だが、展開が早くて楽しめる。

天使の傷痕 [文庫]

西村 京太郎

講談社 1976-05-26

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[天使の傷痕:西村 京太郎]この著者のものは初めて読む。小谷野敦が書評で褒めていた。昭和40年の江戸川乱歩賞。講談社文庫での西村の1番目。2011年で77刷。聖蹟桜ヶ丘の駅前は商店が4軒しかないなど、当時の開発過渡期の状態が描かれて面白い。

聖女の救済 [ペーパーバック]

東野 圭吾

文藝春秋 2012-04-10

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[聖女の救済:東野 圭吾]タイトルで犯人を明かしているが、倒叙ものではない。ラストにどんでん返しが用意されているわけでもない。つまり意外性がない。殺意のない1年も前から完全犯罪の準備をするとは思えない。推理ものとしては破綻している。せいぜい100頁の中編の題材を水増ししている。→

世界一の記憶術 [単行本(ソフトカバー)]

斎藤 直子

NHK出版 2012-02-23

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[世界一の記憶術]記憶術の要諦は「イメージ化」と「関連づけ」。これは世界共通。数字の並びなどを素早く大量に記憶するには、事前に数字の組み合わせに豊富なイメージを対応させておく必要がある。それは新しい言語を覚えるようなものだという。できたイメージをジャーニー法で関連づけしていく。→

ベスト・オブ・映画欠席裁判 [文庫]

町山 智浩

文藝春秋 2012-03-09

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[ベスト・オブ・映画欠席裁判:町山 智浩]例えばハリウッド版ゴジラや実写版デビルマンについて貶す批評は山のようにある。前者は巨大イグアナにすぎないとか、後者は原作を冒涜しているとかいった類のもので、批判の仕方も定型的だ。本書もその例に漏れない。トリビアな横槍をいれるだけの茶飲話。

さまよう刃 [文庫]

東野 圭吾

角川グループパブリッシング 2008-05-24

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[さまよう刃:東野 圭吾]100ページ位まではテンポよく進み、そこからの逃避行の描写において必要性が不十分な記述がダラダラ続く。結果、200ページで済む話なのに500ページにもなった。主題である被害者の怒りをどうするかというデリケートな問題はこの小説では扱いきれていない。→

糾弾 [文庫]

久坂部 羊

朝日新聞出版 2012-01-04

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[糾弾:久坂部 羊]医療ミステリ。小説の出来としては粗雑。文章は凡庸だし、展開は急で、人物は記号的。素材の料理の仕方は生煮え。医療ミスの告白と診察過誤の実験の2つをからませているが、著者が主として書きたかったのは後者ではないか。後者のほうが著者らしいエグさがでている。→

がん 生と死の謎に挑む [単行本]

立花 隆

文藝春秋 2010-12

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[がん 生と死の謎に挑む:立花 隆]がんは私達の身体のシステムと切り離せない。それががん治療が進まない原因だ。結局、がんは根治することはできず、それと共存するしかない。以下、私のこじつけだが、→

うほほいシネクラブ [新書]

内田 樹

文藝春秋 2011-10-19

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[うほほいシネクラブ:内田 樹]おすすめ。映画についての内田の好みと私の好みは、かなり違う。内田がクズ映画と貶すものに私のお気に入りがいくつも含まれている。だが評者の好みというのはどうでもいい。よくある勘違いが、自分の好みの作品の悪口を言われたから頭にくるという人がいるが、→

傍聞き [文庫]

長岡 弘樹

双葉社 2011-09-15

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[傍聞き]文章はうまいが、偶然の一致が鼻につく内容。ちょうどバフチンのポリフォニー論を読んでいただけに、ここまで作者に都合よく動かされている登場人物は操り人形にしか見えない。短編だから伏線も単純。意味不明の行動が意外な意味を持っていたことに気づき誤解をとくというパターンの反復。

ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? [新書]

ひこ・田中

光文社 2011-08-17

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[ふしぎなふしぎな子どもの物語:ひこ・田中]著者は児童文学作家。著者の意見には賛同しかねるところがかなりあるが、テレビゲームやTVヒーローのあたりの細部の考察には面白い所がある。→

ジェノサイド [単行本]

高野 和明

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-30

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[ジェノサイド:高野 和明]真保裕一のように物語の進展を疎外するほどの不要でトリビアルな知識を描き込まず、同時に、ありえない世界を信じさせようとするに見合った程度には読者を説得する知識がもりこまれていて、そのバランスがよい。→

デスマスク [新書]

岡田 温司

岩波書店 2011-11-19

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[デスマスク:岡田 温司]「デスマスクは厳かなものである、だがそれはまたどこかいかがわしい代物でもある。」p195 写真などで故人を偲ぶよすがのなかった時代の奇妙な流行。表面にすぎないデスマスクからその人の全体を読みとろうとするのはおかしいが、当時は観相学や骨相学が流行していた

地名の謎 [文庫]

今尾 恵介

筑摩書房 2011-07-08

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→古い地名が残っていると感動するが、それは趣味の問題。古い地名も元々たいした考えがあってつけられたわけではない。その土地と名が必然的な結びつきがあるわけではない。起源を尊重しすぎるのはオカルトだ。今の新地名のほうがむしろ住民の意見をきいたりしてよほど良く考えられてつけられている。

地名の謎 [文庫]

今尾 恵介

筑摩書房 2011-07-08

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[地名の謎:今尾 恵介]地名に関する本というのは、たいてい「昔からある地名は良い地名で、新しく作った地名は悪い地名」というスタンスで書かれている。この本も例外ではない。著者はかなり辛辣なことも書いている。しかしそこに住んでいるわけでもない者から馬鹿にされても頭にくるだけだ。→

悪の教典 [単行本]

貴志 祐介

文藝春秋 2011-11

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続き[悪の教典]作者に書いてほしいのは、事件のその後だ。現実の注目を集める事件では、犯人像の解釈、社会的文脈への位置づけなど、事件のあとに言説が噴出する。この小説でそれをやれば、作者は、共感を欠如させただけでこんな怪物が生まれるのかということについて反省的に分析できるだろう。

悪の教典 [単行本]

貴志 祐介

文藝春秋 2011-11

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続き[悪の教典]この小説の試みは、共感能力を欠くが知力体力を備えたスーパーマンのような男が論理だけでつき進んでいったらどういうことになるかということだろう。この小説は凄惨だが滑稽でもある。それは論理だけに頼っていることからくる滑稽さだ。

悪の教典 [単行本]

貴志 祐介

文藝春秋 2011-11

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続き[悪の教典]私がずっと感じていたのは、大量殺人を書く著者の倫理観だ。小説の主人公ハスミが、共感能力を欠くために他人を自分と同じ人間ではなく道具的存在(手段)としてしか見れないように、著者にとって大量殺人という筋書きは物語を展開するための道具立て(手段)に過ぎないのだろう。

悪の教典 [単行本]

貴志 祐介

文藝春秋 2011-11

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[悪の教典:貴志 祐介]犯罪を隠すために犯罪を重ねる。死体は死体の中に隠すというE.R.ポーの論理をきっかけに大量殺人へ。共感能力が低いから論理が優先する。前半の「いい先生」ぶりがあるから、反転する後半が生きてくる。これは長編でなければできない。らもの『ガダラの豚』のよう。

地名で読む江戸の町 [新書]

大石 学

PHP研究所 2001-03

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[地名で読む江戸の町]東京には意外に古い地名が保存されている。家康の江戸入城前は草の生い茂る荒れ地ばかりというイメージがあるが、そんなことはない。逆に、神代植物公園などに残る神代といういわくありげな名は、明治時代に深大寺村を中心にした村々の合併で作った当て字だったりする。